中絶手術後の出血

人工妊娠中絶を行うとき、予備知識がなければ、うっかり「手術をしたら、次の日には妊娠前の身体に戻れる」と思ってしまいがちですが、現実はそうではありません。

中絶手術には、必ず出血が伴います。ただ必ず出血が伴うといっても

「あたりまえの、起こるべき出血」と、「中絶後の子宮の状態の危険を知らせる出血」とがありますので、これは区別できるようにしておきたいものです。

そこで、今回は、中絶手術後の出血について、お話させていただきたいと思います。

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中絶手術後には、出血があって当たり前

中絶手術は、子宮内の組織を剥がす行為です。

ある意味では、通常の出産も同じことで、出産の場合には、悪露と呼ばれる子宮内の残留物が出血となって、産後1ヶ月ほど続くことになります。

中絶の場合には、やはり子宮の残留物が必ずあることや、子宮内の細かい傷などから出血するため、10日~2週間の間、出血が起こります。

この期間や出血量、出血のタイミングには個人差があり、一概に、2週間が経てば出血は止まる、とは言えません。

やはり、通常の出産と同じように1ヶ月ほど出血がある人も珍しくはありませんし、手術後3日間は全く出血がなく、4日目から2週間ちょっとの間出血したという人もいます。

出血量も、日によって少ない、ほとんど出血しない日があったかと思えば、昨日の分? と思えるほど出血する日もあったりと、出血量にムラができる人もいます。

この出血に伴って、子宮が収縮し、妊娠前の身体に戻ろうとするために、生理痛に近い痛みが生じますが、疼痛、鈍痛であれば基本的に心配はいりません。

クリニックによっては、術後10日しても出血が止まらなかった場合には、一度受診しましょう……というところもありますので、その場合は医師の指示に従ってください。

なお、中絶手術後には、2週間ほどで月経が再開することも多くあります。

月経の再開までの期間も、個人差のあるものですが、中絶手術後に出血があり、そのまま月経の出血が起こるために

一旦出血量が減ったように見えて、また増えて出血が止まる、というケースもありますので、覚えておきましょう。

中絶手術後、月経がいつ再開するかは誰にもわかりません。

いつの出血が月経の出血かもわからず、ホルモンバランスが崩れた状態が続きますので、基礎体温もまたアテにはなりません。

結果、中絶手術後に出血がしっかり止まらないうちに性交渉を持ち、月経が来ないうちに妊娠してしまうこともあります。

手術後の出血が止まった、月経が来た……としっかりわかるまでは、避妊のない性交渉は避けるのが無難です。

それから、手術後の出血が問題ない場合であっても、「大丈夫だ」と油断をして、アルコールを摂取したり

激しい運動をしたりすることで、出血量が増えることもあります。

念のため、手術後の出血が完全に止まったと確認できるまでは、アルコールや激しい運動は控えたほうが良いでしょう。

このほかにも、人工妊娠中絶の後は、身体的に負担も大きく抵抗力も落ち、また子宮内部に細かい傷もあることから、感染症に罹りやすくなっています。

これを防ぐために、出血のある間は、生理用のナプキンを使い、こまめに取り替えるなど、清潔を保つ工夫をしましょう。

異常出血の場合は痛みも要チェック

さきに述べました、あって当たり前の出血の場合は、だらだらとした出血が続く印象ですが、明らかに出血量が多い

多量の出血が続くというときには、迅速にクリニックを受診しましょう。体内で傷ができたり、何らかの感染症が起こっている可能性が否定できません。

子宮が収縮する際には、疼痛、鈍痛といった、生理痛が強くなったような痛みが腹部を襲いますが

異常出血の場合には、痛みもまた疼痛や鈍痛ではなく、「激痛」と言うべき痛みになります。

慌てる必要はありませんが、軽視せずに迅速に、クリニックを受診してください。

もちろん、痛みの強さや、現れ方にも個人差はあります。普段より多い出血、普段より強い痛み……といったものは要注意のサインです。

中絶を繰り返している人は、場合は注意が必要

もちろん、したくてするのではないのが、中絶です。

個々人に事情はありますが、何らかの理由で中絶を繰り返している人、2度目以降の中絶を行ったという方は、中絶手術後の出血に対して、なお注意が必要と言えます。

その理由のひとつが、傷の治りにくさ。子宮の内部に最初の中絶で傷をつけた部分に、次の中絶手術で傷をつけてしまうと、出血は止まりにくい傾向にあるようです。

これは子宮だけが特殊なのではなく、子宮以外の場所でも同じこと。

一旦傷ついた部分の皮膚は伸びにくく、次に傷がついたときには血が止まりにくくなります。中絶の際にも、二度目以降の傷は出血の原因になることがあるのです。

また、中絶の傷が治りきらないうちに、次の妊娠、中絶を行っているという理由もあります。

一度中絶を行い、子宮の内部が傷つきますが、それが完全に回復しないうちに次の妊娠を迎え、中絶する方もいらっしゃるかと思います。

中絶手術後は、出血が不規則ですし、いつ排卵や、月経が開始になるかもわかりません。

一方で、子宮の内部が中絶によって一旦リセットされ、子宮内部の不要物などが排除されますので、受精卵が着床しやすいのも事実です。

よって、中絶後にきちんと避妊をせずに性交渉を持ちますと、月経が確認できる前に、次の妊娠が発覚し

一度目の中絶から期間を置かず、もう一度中絶手術を受ける人も少なくはありません。

こうしたケースでは、再手術後も、子宮が順調に回復せず、1ヶ月以上、出血が続くことがよく見られるのです。

中絶後の出血については個人差があるものの、出血が長引く原因も一部にはあることがお分かりいただけたかと思います。

中絶は、手術の過程で胎内に細かい傷をもたらす可能性が否定できません。

子宮にきちんと回復できる時間を与えてあげられるよう、女性の身体の安全を考えることも大切なのです。

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