中絶費用の慰謝料

人工妊娠中絶をするには、金銭的な負担がかなり大きくかかってきます。

妊娠12週未満の初期中絶でも、それなりの金額がかかり、12週目以降の中期中絶となれば、かなり大きな、といってよい金額が必要になります。

そればかりではなく、中絶をする女性の側には、精神的な負担というものものしかかってきます。

事情による面もありますが、身体に手を加える形となる女性の側は、男性には決して味わうことのできない苦しみを味わうこととなるのです。

さて、そこで、人工妊娠中絶を理由に慰謝料が発生することはあるのでしょうか。

あるとすれば、どんなシーンで、どれくらいの慰謝料がもらえるの? 中絶に関して、慰謝料が発生しうる場合について考えてみたいと思います。

スポンサーリンク

中絶で慰謝料が出る場合とは

中絶で慰謝料が発生する場合の第一は、

・女性が、出産を希望しているが、男性が中絶を主張した結果、中絶した

というケースです。

この場合は、女性側は出産することを希望していますが、女性が強引にでも出産すると、男性側には、結婚をしなくても、認知と扶養の義務が生じます。

扶養は男性側の義務になりますが、扶養のためには認知が必要であり

男性側が認知届を提出する意志を持たない場合には、家庭裁判所に持ち込まれる問題となってしまいます。

男性側は、女性の側に中絶を強要することはできません。

従って、女性側が産もうと思えば強引に産むことはできますが、その結果「結婚しない、認知もしない」となりますと女性の側も辛い。

ですから、「産みたいけれども、産んで育てることができない」となり、結果、中絶を選択するケースは少なくありません。

こんな場合には、男性側と女性側の、それまでの関係性を考慮して、慰謝料の金額が算定されることになります。

その細かいところは後ほどご紹介させていただきますね。

人工妊娠中絶に関して、慰謝料が出るケースは、もうひとつ、強姦による妊娠、中絶の場合があります。

ただこちらは、強姦罪あるいは準強姦罪という、犯罪の域にかかることがあり、もちろんその慰謝料の一環として、人工妊娠中絶の慰謝料を請求することができます。

金額につきましては、個々の状況によって異なる面も大きく、金額面でもいくらの慰謝料が出るのかは裁判の結果定められるものですので

こうしたケースでは、迷うことなく弁護士さんに相談しましょう。

慰謝料請求が認められるのはどんなとき?

話を戻しますと、「女性が産みたいのに、相手の男性が出産に反対した結果、中絶となった」場合には、男性側へ慰謝料請求が可能になることもあります。

まず、「結婚を前提にお付き合いしていたのに、妊娠が発覚した途端に逃げ腰になり、中絶を主張、別れを切り出した」というケース。

これは、女性の側が結婚という将来があることを信じて性交渉に応じているのに

男性の側がその将来を反故にするということで、男性の側に大きな責任が問われます。慰謝料だけではなく、中絶の費用も男性側に請求されることとなるでしょう。

これと反対に、結婚の約束がなかった、双方遊び感覚での性交渉の結果妊娠した……というような場合は

男性側だけではなく、女性の側にも責任が問われます。二人の責任でこうなったということで

多くの場合、慰謝料の請求は認められません。中絶にかかる費用も、折半となることが多いようです。

ただ、妊娠が予測できるような状況であったのならば、また別で

「妊娠が予測できたのに、結婚するつもりもなく、きちんと避妊もしなかった」というようなケースでは、男性側に責任を問われることもあります。

結婚についての認識のほかにも、女性の妊娠という事態に対応する男性の態度が、結果に大きく関わってくることも忘れてはなりません。

実際に女性が手術を受ける段になって、男性がクリニックに付き添った。自分から進んで、中絶費用の負担を申し出た。

というような場合は、男性側に誠意が見られるとして、慰謝料は軽減される見込みです。

妊娠発覚後、結婚についてよく話し合う態度があったかどうかも、判断材料のひとつとなります。

一方で、慰謝料が高額となるのは、男性側が妊娠発覚後に、逃げ腰の態度をとったときです。

連絡がとれなくなった、自分には責任はないという態度に終始している……などのケースでは、過去の判例においても高額の慰謝料請求がなされています。

慰謝料はいくらくらいになるの?

さて、気になる慰謝料の金額ですが、女性側の身体的、精神的苦痛を考慮し、男性の側が逃げる態度をとった場合には、100万円~200万円と高額になります。

実際の判例を参照すると、男性の側に、精神的苦痛の慰謝料200万円の半額である100万円

人工妊娠中絶にかかった費用68万円の半額である34万円、弁護士費用10万円……の、合計およそ144万円の支払いを命じられた、というケースがありました。

慰謝料と手術費用がそれぞれ半額になっているのは、女性の側にも半分の責任はあるという判断です。

しかしそれを措いても、精神的苦痛は総合的に200万円と判断され、半額の100万円の支払いが逃げ腰の男性に命じられることとなりました。

妊娠の発覚後、男性の側に誠意があれば、金額もそれに左右されます。

あなたのケースで実際にいくらの請求が可能なのかは、やはり弁護士さんなど専門の方に詳しく話を聞いてもらうまで、わからないということですね。

ただ、人工妊娠中絶は妊娠した、もしくはさせた、二人の責任である……といっても、実際に中絶で身体的・精神的に苦痛を味わうのは女性の側のみです。

現実には精神的ショックから、慰謝料どころではない女性も多いのですが、ご家族の協力などを得ながら

慰謝料をもらえそうな場合には、しばらく後の自分のために、ひとがんばりしてみてはいかがでしょうか……。

辛いお心はお察ししますが、中絶の慰謝料、「ないよりよかった」と思える日がくることを、心からお祈りしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です