半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう)

胃腸の働きをよくする漢方薬です。主薬の「半夏」は吐き気をおさえるための重要な生薬です。瀉心湯類に特徴的な「黄芩」と「黄連」の組み合わせは、みぞおちの張りやつかえをとり、熱や炎症をさまします。さらに、健胃作用や緩和作用のある「乾姜」「大棗」「甘草」などで構成されています。

半夏瀉心湯の配合生薬

大棗(だいそう)半夏(はんげ)甘草(かんぞう)黄芩(おうごん)黄連(おうれん)人参(にんじん)乾姜(かんきょう)

半夏瀉心湯の効能一覧

食欲不振や胃もたれ、吐き気や嘔吐があるとき、お腹がゴロゴロいって下痢ぎみの人に適します。最近では逆流性食道炎の治療に用いられたり、「猪苓湯」「十味敗毒湯」との併用で痛風の治療に使われたりします。また、抗がん剤や放射線の副作用による下痢にも効果があります。

半夏瀉心湯に適応する体質

特に体質は問いませんが、体力のない人にはやや向きません。

半夏瀉心湯の副作用や注意点

配合生薬に甘草が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります(偽アルドステロン症と呼ばれる症状です)

防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん)

高血圧に伴なう諸症状に用いる漢方薬です。「防風」や「麻黄」など病因を発散して治す発散性の生薬を中心に、熱や炎症をさますもの、便通をよくするもの、無駄な水分を取り去るもの、あるいは血流をよくする生薬などが色々と配合されています。

防風通聖散の配合生薬

桔梗(ききょう)生姜(しょうきょう)白朮(びゃくじゅつ)薄荷(はっか)麻黄(まおう)甘草(かんぞう)山梔子(さんしし)防風(ぼうふう)連翹(れんぎょう)黄芩(おうごん)滑石(かっせき)荊芥(けいがい)芍薬(しゃくやく)石膏(せっこう)大黄(だいおう)当帰(とうき)川芎(せんきゅう)芒硝(ぼうしょう)

防風通聖散の効能一覧

動悸、肩こり、のぼせなどの症状、他に便秘、尿量減少、肥満、むくみなどの解消に用います。最近では、痛風の治療に用いられることが多くなっています。

防風通聖散に適応する体質

高血圧の傾向があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人に向きます。

防風通聖散の副作用や注意点

「麻黄」には、心臓や血管に負担をかけるエフェドリン類が含まれます。そのため、高血圧や心臓病など、循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。

また、配合生薬に「甘草」が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。

大柴胡湯 (だいさいことう)

体の熱や炎症をとって痛みを和らげる漢方薬です。炎症をしずめる効果のある主薬の「柴胡」をはじめ、胸のつかえ感や吐き気をおさえる「半夏」「枳実」、痛みをとる「芍薬」、便通がよくなる「大黄」など様々な生薬で構成されています。

大柴胡湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)枳実(きじつ)大棗(だいそう)半夏(はんげ)柴胡(さいこ)黄芩(おうごん)芍薬(しゃくやく)大黄(だいおう)

大柴胡湯の効能一覧

肝臓や胆のうの病気、胃腸の病気、便秘や痔、頭痛、肩こり、痛風、のどの痛み、めまい、耳鳴りなどに適応します。肥満の解消にもよいとされます。

大柴胡湯に適応する体質

体力のある人で便秘がち、鳩尾から肋骨下部が強く張っている人に向く処方です。比較的、高血圧の人に向きます。

大柴胡湯の副作用や注意点

滅多に重い副作用はありませんが、間質性肺炎と肝障害が報告されています。
ただ、これは長期間服用した場合で用法・用量を守れば、問題ありません。

越婢加朮湯 (えっぴかじゅつとう)

腎炎、関節リウマチなどに用いられる漢方薬です。交感神経を刺激し、病気の原因を追い出す「麻黄」、熱を下げる効果のある「石膏」、無駄な水分を取り除く「蒼朮」その他、体を温める「生姜」などで構成されています。

越婢加朮湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)大棗(だいそう)麻黄(まおう)甘草(かんぞう)蒼朮(そうじゅつ)石膏(せっこう)

越婢加朮湯の効能一覧

腎炎、ネフローゼ、痛風、関節リウマチ、喘息などに適応します。体の熱や腫れ、痛みを発散させて治します。

越婢加朮湯に適応する体質

体力がある人で口が渇きやすく、尿量が減少している人に向いています。 また、浮腫みなども処方の目安になります。

越婢加朮湯の副作用や注意点

「麻黄」には、心臓や血管に負担をかけるエフェドリン類が含まれます。そのため、高血圧や心臓病など、循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。また、配合生薬に「甘草」が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。

柴苓湯 (さいれいとう)

水分循環を改善し、無駄な水分を取り除く漢方薬です。漢方の基本処方である小柴胡湯と五苓散を合わせた方剤です。利尿作用や炎症を抑える作用に優れます。

柴苓湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)茯苓(ぶくりょう)大棗(だいそう)半夏(はんげ)白朮(びゃくじゅつ)甘草(かんぞう)柴胡(さいこ)桂枝(けいし)黄芩(おうごん)沢瀉(たくしゃ)猪苓(ちょれい)人参(にんじん)

柴苓湯の効能一覧

急性胃腸炎、むくみ、頭痛、咳、通風、暑気あたり(夏バテ)などに効果があります。また、喘息などのアレルギーや免疫系がかかわる病気にも処方されます。

柴苓湯に適応する体質

体力が中くらいで、口が渇きやすく尿量が少ない人に向きます。

柴苓湯の副作用や注意点

配合生薬に甘草が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります(偽アルドステロン症と呼ばれる症状です)

滅多に重い副作用はありませんが、間質性肺炎と肝障害が報告されています。
ただ、これは長期間服用した場合で用法・用量を守れば、問題ありません。