当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)

血行を良くして、体を温める性質の漢方薬です。貧血症状を改善する主薬の「当帰」、体を温める「芍薬」の2つを主薬として、漢方の代表的な利尿薬である「蒼朮」「沢瀉」「茯苓」などで構成されています。

当帰芍薬散の配合生薬

茯苓(ぶくりょう)蒼朮(そうじゅつ)芍薬(しゃくやく)沢瀉(たくしゃ)当帰(とうき)川芎(せんきゅう)

当帰芍薬散の効能一覧

月経トラブルをはじめ、女性特有の疾患に広く用いられます。具体的には、生理痛、不妊症、むくみ、更年期障害、冷え性などに適応します。

当帰芍薬散に適応する体質

体力がなく、色白で冷え症、やせ型の人に向きます。一般的には女性に用いることが多い漢方薬です。

当帰芍薬散の副作用や注意点

ほとんど副作用はありませんが、稀に服用時にむかついたり、食欲がなくなる場合があります。

五苓散 (ごれいさん)

利尿作用をもつ代表的な漢方薬です。水分循環を改善し、無駄な水分を取り除きます。主薬の「猪苓」をはじめ、利尿作用のある五つの生薬で構成されているので「五苓散」の名がついたようです。

五苓散の配合生薬

茯苓(ぶくりょう)蒼朮(そうじゅつ)桂枝(けいし)沢瀉(たくしゃ)猪苓(ちょれい)

五苓散の効能一覧

吐き気や嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまい、頭痛などに適応します。

五苓散に適応する体質

体質にそれほど関係なく作用します。口が渇き、尿量が少ないことを目安に使用するとよいです。

五苓散の副作用や注意点

ほとんど、副作用はありません。人によっては、服用時にむかついたり、食欲がなくなる場合があります。

牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん)

体力をつけ、水分の循環をよくする漢方薬です。配合されている生薬は10種類で、貧血の症状を改善する「地黄」や、その「地黄」の効果を高める「山茱萸」や「山薬」。その他、水分や血液の循環を良くする生薬がふくまれています。

牛車腎気丸の配合生薬

茯苓(ぶくりょう)山茱萸(さんしゅゆ)牛膝(ごしつ)山薬(さんやく)地黄(じおう)沢瀉(たくしゃ)附子(ぶし)牡丹皮(ぼたんぴ)車前子(しゃぜんし)

牛車腎気丸の効能一覧

足腰の冷えや痛み、多尿、尿量減少などの下半身のトラブル。また、上記のような症状をともなう前立腺肥大症や糖尿病に用いられます。

牛車腎気丸に適応する体質

体力が低下していて、顔色が悪く、冷えを伴う場合に用います。下腹部に力が入らなくなった場合も使用目安のひとつです。

牛車腎気丸の副作用や注意点

体力があり、のぼせやすい人や胃腸の弱い人には向きません。ほとんど副作用はありませんが、稀に服用時にむかついたり、食欲がなくなる場合があります。

八味地黄丸 (はちみじおうがん)

腎機能低下や糖尿病など体の弱った機能を補う漢方薬です。貧血症状を改善する主薬の「地黄」をはじめ、その「地黄」の効果を高める「山茱萸」「山薬」、水分循環をよくする「沢瀉」、血行を改善する「牡丹皮」など8種類の生薬で構成されています。

八味地黄丸の配合生薬

茯苓(ぶくりょう)山茱萸(さんしゅゆ)桂枝(けいし)山薬(さんやく)地黄(じおう)沢瀉(たくしゃ)附子(ぶし)牡丹皮(ぼたんぴ)

八味地黄丸の効能一覧

腰の痛みやしびれ、夜間頻尿、性機能低下、湿疹などに用います。また、上記症状を伴なう前立腺肥大症や糖尿病にも適応します。

八味地黄丸に適応する体質

体力が低下していて、顔色が悪く、冷えを伴う場合に用います。下腹部に 力が入らなくなった場合も使用目安のひとつです。

八味地黄丸の副作用や注意点

体力があり、のぼせやすい人や胃腸の弱い人には向きません。ほとんど副作用はありませんが、稀に服用時にむかついたり、食欲がなくなる場合があります。

桂枝湯 (けいしとう)

体の熱や腫れ、痛みを発散させる漢方薬です。主薬の発汗・発散作用のある「桂枝」をはじめ、5種類の生薬からなります。「桂枝」の他、痛みをやわらげる「芍薬」、体をあたためる「生姜」、緩和作用のある「甘草」などが配合されています。
この漢方薬に「葛根」と「麻黄」を加えると有名な「葛根湯」になります。

桂枝湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)大棗(だいそう)甘草(かんぞう)桂枝(けいし)芍薬(しゃくやく)

桂枝湯の効能一覧

カゼのひき始めで寒気がするとき、他に頭痛や肩こり、筋肉痛、じん麻疹、関節痛などに適応します。

桂枝湯に適応する体質

自然に汗が出やすく、体力のあまりない人に向いています。

桂枝湯の副作用や注意点

配合生薬に甘草が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります(偽アルドステロン症と呼ばれる症状です)

防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう)

体の水分循環を改善し、関節痛などの痛みを和らげる漢方薬です。体の水分循環をよくし、痛みを発散して治す「防已」、その働きを助長する「蒼朮」、汗を調節し滋養強壮の効果もある「黄耆」、その他胃腸によい生薬や痛みを和らげる作用のある生薬で構成されています。

防已黄耆湯の配合生薬

黄耆(おうぎ)生姜(しょうきょう)大棗(だいそう)甘草(かんぞう)蒼朮(そうじゅつ)防已(ぼうい)

防已黄耆湯の効能一覧

多汗症、むくみ、関節炎によく用いられます。関節炎の場合、水がたまりやすいタイプのものに効果が高いです。

防已黄耆湯に適応する体質

水ぶとりしている人やむくみやすいタイプの女性に向きます。

防已黄耆湯の副作用や注意点

大量服用することにより、逆にむくみを生じたり、血圧が上がってくることがあるので注意してください。

葛根加朮附湯 (かっこんかじゅつぶとう)

肩こりや神経痛、関節痛などに用いられる漢方薬です。交感神経を刺激し病因を追い出す「麻黄」、穏やかな発汗・発散作用のある「桂枝」、痛みを和らげる「芍薬」、無駄な水分を取り除く「蒼朮」、体を温める「附子」などで構成されています。

葛根加朮附湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)葛根(かっこん)大棗(だいそう)麻黄(まおう)甘草(かんぞう)蒼朮(そうじゅつ)桂枝(けいし)芍薬(しゃくやく)附子(ぶし)

葛根加朮附湯の効能一覧

風邪などに効果のある「葛根湯」に体を温める生薬をさらに足した漢方薬で、寒気が強い場合に用います。肩こり、筋肉痛、神経痛、上半身の関節リウマチ、頭痛などに効果があります。

葛根加朮附湯に適応する体質

体力が中くらいの人に向きます。体力が充実している時や暑がりでのぼせやすい人には不向きです。

葛根加朮附湯の副作用や注意点

「麻黄」には、心臓や血管に負担をかけるエフェドリン類が含まれます。そのため、高血圧や心臓病など、循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。また、配合生薬に「甘草」が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。

半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう)

胃腸の働きをよくする漢方薬です。主薬の「半夏」は吐き気をおさえるための重要な生薬です。瀉心湯類に特徴的な「黄芩」と「黄連」の組み合わせは、みぞおちの張りやつかえをとり、熱や炎症をさまします。さらに、健胃作用や緩和作用のある「乾姜」「大棗」「甘草」などで構成されています。

半夏瀉心湯の配合生薬

大棗(だいそう)半夏(はんげ)甘草(かんぞう)黄芩(おうごん)黄連(おうれん)人参(にんじん)乾姜(かんきょう)

半夏瀉心湯の効能一覧

食欲不振や胃もたれ、吐き気や嘔吐があるとき、お腹がゴロゴロいって下痢ぎみの人に適します。最近では逆流性食道炎の治療に用いられたり、「猪苓湯」「十味敗毒湯」との併用で痛風の治療に使われたりします。また、抗がん剤や放射線の副作用による下痢にも効果があります。

半夏瀉心湯に適応する体質

特に体質は問いませんが、体力のない人にはやや向きません。

半夏瀉心湯の副作用や注意点

配合生薬に甘草が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります(偽アルドステロン症と呼ばれる症状です)

桂枝加竜骨牡蛎湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう)

気力をつけることで心の状態をよくする漢方薬です。おだやかな発汗・発散作用がある「桂枝」、気分を落ち着ける作用がある「竜骨」「牡蛎」、痛みをやわらげる「芍薬」、体をあたためる「生姜」、緩和作用のある「甘草」などで構成されています。

桂枝加竜骨牡蛎湯の配合生薬

生姜(しょうきょう)大棗(だいそう)甘草(かんぞう)竜骨(りゅうこつ)牡蛎(ぼれい)桂枝(けいし)芍薬(しゃくやく)

桂枝加竜骨牡蛎湯の効能一覧

不眠や夜尿症などの他、精神面がかかわる病気に用いられます。また、性的機能の回復にも使われることがあります。

桂枝加竜骨牡蛎湯に適応する体質

体力がない方で、やせて顔色が悪く神経質な人に向きます。

桂枝加竜骨牡蛎湯の副作用や注意点

配合生薬に「甘草」が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。

防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん)

高血圧に伴なう諸症状に用いる漢方薬です。「防風」や「麻黄」など病因を発散して治す発散性の生薬を中心に、熱や炎症をさますもの、便通をよくするもの、無駄な水分を取り去るもの、あるいは血流をよくする生薬などが色々と配合されています。

防風通聖散の配合生薬

桔梗(ききょう)生姜(しょうきょう)白朮(びゃくじゅつ)薄荷(はっか)麻黄(まおう)甘草(かんぞう)山梔子(さんしし)防風(ぼうふう)連翹(れんぎょう)黄芩(おうごん)滑石(かっせき)荊芥(けいがい)芍薬(しゃくやく)石膏(せっこう)大黄(だいおう)当帰(とうき)川芎(せんきゅう)芒硝(ぼうしょう)

防風通聖散の効能一覧

動悸、肩こり、のぼせなどの症状、他に便秘、尿量減少、肥満、むくみなどの解消に用います。最近では、痛風の治療に用いられることが多くなっています。

防風通聖散に適応する体質

高血圧の傾向があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人に向きます。

防風通聖散の副作用や注意点

「麻黄」には、心臓や血管に負担をかけるエフェドリン類が含まれます。そのため、高血圧や心臓病など、循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。

また、配合生薬に「甘草」が含まれているので、大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。