中絶後の月経

人工妊娠中絶は、医学的にはそれほど難しい施術が行われるわけではない、と言われてはいます。

しかし、中絶することは女性にとって、大きな恐怖の対象であることは当然ですし、同時に中絶の後遺症についても様々取りざたされることは多いので

中絶後の生活に不安を抱く女性も、決して少なくはありません。

中でも、中絶後の月経がどうなるのか……ということについては、中絶の後遺症の筆頭に、よく「不妊」が挙げられることもあり

不安を感じる女性が多いことと思います。そこで今回は、中絶後の月経について、まとめました。

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人工妊娠中絶の手術後、いつ生理が再開するのか?

ということについては、まず、「個人差があるので一概には言えない」ことを理解しておいていただきたいと思います。

もちろん、平均的にいつ頃が多い、というのはあります。医療機関やクリニックなどで、中絶時に「これくらいで再開しますよ」とご案内をいただく場合もあります。

しかし、その時期はあくまでも、「これくらいに再開することが多いですよ」というだけで

あなたが必ずしもそれに当てはまるわけではありませんので、セオリーどおりにことが運ばなくても、必要以上に不安には思わないでくださいね。

中絶手術後、すぐに月経が再開しないといって不安を漏らす方がいらっしゃいますが、「すぐに再開」することはもちろんありません。

月経の再開時期は、初期中絶の場合は30~50日。中期中絶の場合には、もっと遅く、2ヶ月以上が経過してから再開することもよくあります。

これは、体内のホルモンバランスが中絶までにどれほど「出産・育児寄り」になっているか、ということによって左右されるものです。

つまり、妊娠前のホルモンバランスに戻るまで、どれくらいの時間がかかるのか、ということに懸かっています。

しつこいようですが個人差がありますので、不安になりすぎないようにしてくださいね。

また、一度は月経があったのに、次が思ったように来ない……という方もいらっしゃいます。

妊娠・中絶前の自分の生理周期を参考に、「そろそろ来るはず……」と思っているのに全くその予兆がない、というタイプです。

実は、人工妊娠中絶の直後は精神的にもストレスがかかりやすく、ホルモンバランスの面でも安定しているわけではありません。

つまり、きわめて月経不順が起こりやすい状態なのです。自分の身体がそのような不安定な状態なのだ、ということは理解しておきましょう。

さて、ところで、月経が来ないということについて、どうして皆さんそれほど不安になるのでしょうか?

それは、冒頭に挙げましたような「人工妊娠中絶によって不妊になるのではないか」という、中絶の後遺症に関連したものとは別に、次のような理由があります。

「中絶して、月経が来る前に、次の妊娠をしてしまったのではないだろうか……」

この不安、実は、中絶直後には、不妊の不安よりもずっとずっと大きなものです。

産めないから、中絶する結果になったのに、またすぐに妊娠してしまったらどうしよう……。実は、インターネット上でも、そのような相談を多く見かけます。

女性は中絶を境目に、パートナーを失うことも多いですが、そうでなかった場合は、別の不安を抱えて中絶後の月経を待たなくてはならないかもしれません。

中絶をした女性であっても、排卵にあわせたタイミングで性交渉があれば、再び妊娠する可能性があるのです。

中絶後の月経は30~50日と言われてはいますが、そのうちのどこで排卵となるかは、本人の女性でさえもわかりません。

中絶後の不安定なホルモンバランスでは、基礎体温も、排卵日を推測する役には立ちません。

そのような状態であるにも関わらず、パートナーの求めに応じて性交渉を持ってしまったりすると、月経の再開がいつになるのか、とても気になりますね。

予定の30~50日を過ぎても再開しない場合は、もしかしてまた妊娠してしまったのではないか……と、強い不安が女性を襲うことになります。

強い不安は、精神のバランスを崩させ、ますます月経が遅れてしまう原因になるかも知れません。

もちろん、個人差によって月経の再開が遅れる場合もあるでしょう。しかし、月経の再開前に不用意な性交渉があった場合には、妊娠の可能性は否定できません。

特に、出産後にも言われることですが、中絶後、胎盤が子宮の外に出た後だと、子宮内部が大変きれいな状態になっていますので、受精卵が着床しやすい……

つまり、妊娠しやすい、といった説もあるのです。

こうした可能性もあるため、予定されていた30~50日を過ぎても月経が再開しない場合には中絶手術を行ったクリニックを訪れ、一度診察を受けてみることをお勧め致します。

もちろん、性交渉が原因ではなく、何らかの理由や個人差によって月経の再開が遅れている場合にも、適切な処置や、アドバイスを受けることができますよ。

中絶後もパートナーがおり、性交渉の可能性があるのならば、低容量ピルの使用を検討してみてはいかがでしょうか。

ピル自体は、服用終了後に妊娠を妨げるものではありませんので、推奨することのできる対策のひとつです。

男性の中には、中絶を要求しておいて、その直後の性交渉で避妊を怠る人も残念ながら少なくありません。

それでいて月経まで大きな不安とストレスを抱えるのは女性だけです。

結局、自分の身は自分で守るしかない、という一面も。中絶を切っ掛けに、避妊のこと、それから長い目で見て

パートナーが本当にあなたのことを大切にしてくれているのか……ということも含め、よくよく考えていかれると良いですね。

中絶後の性行為

工妊娠中絶を経験した女性にとっては、辛い部分もありますが目をそらすことのできないのが、中絶後の性行為についての、あれこれです。

中絶によって、パートナーとの関係が壊れてしまう場合もありますが、そうはならずに中絶後もパートナーとの関係が続く場合には

相手の考え方の次第によっては、中絶後すぐに性行為をしてもいいのか? ダメなのか? と悩まなくてはならないことも生じてきます。

中絶後の性行為についての注意点などをまとめましたので、読んでみてくださいね。

まず、多くの方が疑問に思うのが、「中絶後、性行為はいつからしてもよいのか」ということです。

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これは、最短でいつから可能か……という意味でしたら、中絶後の出血が止まれば可能である、と言うことはできます。

中絶後には出血や、中期中絶の場合には悪露が出てくるという現象がありますが、初期中絶でしたら2週間前後

中期中絶の場合には1ヶ月弱すると、そうした出血や悪露は大抵止まります。

もちろん、個人差によって、その期間が長い短いは多少ありますが、その術後の出血が止まれば、性行為自体は「できます」と言ってもよいでしょう。

但し、ここで気をつけていただきたいのは、手術後の妊娠です。

中絶手術後は、一旦妊娠した後ですから、基礎体温法などの避妊方法はまず役に立ちません。

いくら基礎体温を毎日計測しても、ホルモンバランスが崩れた状態ですので、周期も安定せず

どこが排卵日でどこが安全な日なのか、判断することは大変難しく……というよりも、ほぼ不可能になっています。

妊娠した、中絶したという経過がなくとも、基礎体温による避妊は不確実なことが多いのです。

中絶後に基礎体温を測り、避妊をしているつもりになっても、それは「避妊をしていない」ことと同じだと思ってください。

そうなると、最も懸念されるのが、「中絶後の、再びの妊娠」です。中絶手術後、出血が止まったからといって、基礎体温に頼ったり

あるいは全く避妊をせずに性行為を行っていると、知らないあいだに排卵が起き、受精してしまい、月経再開前に再び妊娠してしまう……ということも十分にあり得ます。

このような話を聞くと、中には「まさか! そんなあほな」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、現実的に多い事例だからこそお話しているのです。

諸説はありますが、出産や中絶をした後には、子宮の古い組織が体外に出されて子宮内がキレイになっているので

出産前や中絶前に比べて妊娠(受精卵が着床)しやすい、ということも言われています。

実際に、妊娠しやすいかどうかの体質ということもありますが、中絶手術後にすぐ妊娠し

それも中絶したのにまたすぐ妊娠……と、中絶を繰り返してしまう方がいらっしゃるのも事実です。

従って、望まない妊娠をしたから中絶したのに、その後すぐまた、望まない妊娠をした……というような事態を避けるためには

「出血が止まったから、性行為をしてもよい」という考え方はあまりお勧めすることはできません。

もちろん、身体的には大丈夫なのですよ。出血が完全に止まれば、子宮や膣の機能もある程度回復します。

しかし、やはり多くのクリニックや専門医が、「まずは最初の月経が来るまでは、性行為はおすすめしない」というスタンスをとっています。

そして、最初の月経が来たからといって、基礎体温などの確実性のない方法に頼らず、「避妊をしっかりする」ことも、忘れてはいけません。

残念なことですが、男性の中には、避妊をきちんとしない人、したがらない人、する、したと言い張ってもしっかりしていない人や

すると言うのにいざとなったらしない人……様々な人がいます。

必要だったら避妊をするけど、中絶後すぐはどうせまだ月経が来ないから、避妊はしなくても大丈夫だよね?

と考えている男性もいるはずです。そして、それが最初の排卵日近くにあたってしまい、月経が来ないうちに次の妊娠を体験した女性もまた、少なくはないのです。

女性として必ず覚えておかなくてはならないこと、それは、「最後、自分を守れるのは、自分しかいない」ということ。

パートナーの男性が、あなたを守ってきちんと避妊してくれる人ならば、それでいい。

しかし、もしもそうでなかったとしたら、あなたにはパートナーとお別れするか、そうでなければ、自分で自分を守るしか、方法がありません。

再び人工妊娠中絶をするのを避けたければ、あなたか彼か、あるいは双方が、きちんと避妊をするしかないのです。

ところが、中絶の苦しみを味わうのは女性だけです。

相手の男性は、お財布は打撃になるかもしれませんが、麻酔をかけられるわけでも、身体の中をかき回されるわけでも、陣痛の痛みを味わうわけでもない。

だから、男性の側には、再び中絶をするのなんてイヤダ! という意識はあまり強くはありません。自分を守りたければ、自分で守るしかないのです。

女性ができる避妊の方法は、いくつかあります。たとえば、各種ピルの服用。体質に合ったものを医師と相談してください。

あるいは、IUD(避妊用リング)といわれる、膣内に装着するタイプの避妊具。

ピルと違い、飲み忘れて効果がなくなることがないのが便利ですが、避妊率が100%ではないことと

2年に1度ほど、きちんと装着できているか、癒着などが起きていないか、医師の診察が必要です。ピルでもIUDでも、服用をやめたり

IUDを外したりすれば、妊娠できる身体に戻ることが可能なので、担当医師とよく相談するとよいでしょう。

男性側のできる避妊には、コンドームなどの他に、パイプカットという方法もあります。

ただこれは、女性を妊娠させられる身体に戻ることは難しいので、よく検討されることをおすすめします。

いずれの場合でも、中絶後の性行為については、「今度は妊娠しても大丈夫!」となるまで、必ずきちんと避妊をすること。

中絶手術から何週間が経過したかは、基本的に関係ありません。

避妊できていない場合には、月経がみられなくても、いきなり排卵日にあたって妊娠してしまう可能性があることを、決して忘れないでくださいね。

中絶後の痛み

人工妊娠中絶をするにあたり、中絶の後遺症の問題からは目をそらすことはできません。

中絶の後遺症には様々なものがあり、特に問題視されることが多いのは、「人工妊娠中絶」という至って人工的な施術により

子宮や子宮頸管を傷つけることであったり、その結果として起こる可能性のある不妊の症状などです。

そうしたことに比べれば注目度は低いのですが、中絶後には痛みが伴うということも、中絶の後遺症のひとつとして心に留め置いていただきたいのです。

中絶後、後遺症としての痛みとは、どのような種類のものがあり、原因は何なのか、お話したいと思います。

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身体の痛み、腹部の痛み

中絶手術後には、下腹部に痛みを覚える方が大勢いらっしゃいます。

このことによって、中絶手術に何か不備があったのではないか、と心配になることも多いのですが、痛みだけで「手術が失敗した」などと判断するのは早計です。

中絶手術では、子宮内の妊娠に伴う組織を取り切ることはできません。これは通常の出産、分娩であっても同じことですが

必ず子宮内にはある程度の組織が残り、それを2週間~1ヶ月かけて、ゆっくりと自然に外に出していくことになります。

ですから、中絶手術後は、数週間にわたって微量の出血があるのが普通です。

中期中絶の場合には、より分娩に近い手術が行われますので、やはり最低でも2週間近く、悪露と呼ばれる、子宮内の残留物が体外に排出され続けるのです。

その際、不要物を子宮内から外に出すため、かつ、身体が妊娠前の形に戻ろうとする自然現象のために、子宮は収縮します。

つまり、妊娠のために伸びていた子宮内の組織が、風船の空気が抜けたように、縮もうとするわけです。

さらに、出血を止めたり、子宮の戻りをよくするために、手術後には子宮収縮剤が処方されます。

収縮の動きが急激であるために、身体は痛みを感じるのです。中絶手術を行った後に、下腹部に痛みがあるのは、むしろ当然のことであると言えるでしょう。

子宮収縮の痛みは、時に眠れないほどの疼痛になることがあります。ただ、うずくような辛い痛みであっても、激痛ではありません。

万一、子宮の内部に、残っていてはいけない組織が残っている場合や、感染症を起こしたような場合には

出血量が大出血といえるほど多く、かつ、痛みも疼痛とは呼べない、激痛となります。

妊娠週数が早すぎる状態で中絶手術をすると、子宮内の組織に取り残しが生じ、大出血になる可能性も比較的高いようですが

このようなときには慌てず、かつ放置せず、迅速にクリニックに受診することが大切です。

ちなみに、大出血ではなく、痛みも疼痛で、出血量も少ない生理程度の場合には、子宮収縮のための痛みで

異常ではないと考えられますが、それでも痛くて眠れない、休息できないなどの場合には、受診すると痛み止めを処方していただけます。

心配なときや、身体が辛いときには遠慮せずに受診、相談しましょう。

心の痛み

人工妊娠中絶を行うとき、もちろん身体的な痛みにも留意が必要ですが、より疎かにしていただきたくないのが、心の痛みに対する配慮です。

普通の、よくある悩みごととは違い、人工妊娠中絶の場合は、必ず相手がいるというのが特徴のひとつです。

女性一人で妊娠することはありません。

望まない妊娠であれ、望んだ妊娠を男性の都合で堕胎するよう迫られた場合であれ、妊娠には必ず、本来でしたら悩みを共有すべき相手が存在します。

中絶は、女性にとっては、体内に外から器具を入れ、その中をかき乱される行為に他なりません。

初期中絶、中期中絶を問わず大きな精神的負担を強いられるのです。

そのときに、共に乗り越えるべきパートナーがいるのか、それとも、そうでないのか……は、中絶をする女性にとって最大の問題であると言っても良いと思います。

妊娠のパートナーが、中絶に付き添ったり、女性を労る言動がある場合は、女性の精神的な負担は比較的少なくて済むようです。

中絶の後遺症として、精神的な問題を抱える可能性も、そうでない場合に比べれば低くなっています。

一方で、パートナーに裏切られた、妊娠を切っ掛けに別れることになってしまった……などの場合には、女性には非常に辛い心の負担がのしかかります。

妊娠、そして中絶といったことは、誰にでもおいそれと話せることではありません。

パートナーと共有し、共に悩んだり、共に胎児を悼んだりすることのできない女性は

一人でその重さを抱え込み、悩み落ち込んで、心の負担を大きくしてしまうことが多いのです。

中には、PAS(中絶後遺症候群)といって、中絶とそれに関連する一連の出来事、場所などがトラウマとなり

人と関わるのを避けたり外出を避けたり、抑鬱の症状を呈する場合もあります。

パートナーと心の負担を共有できない場合には、中絶をする女性には何より

身近な方、ご家族、ご両親、親しいお友達、誰でも良いので心許せる方に心の内をお話し、辛さを吐き出すことをおすすめしたいのです。

むやみに隠してはいけません。あなたの負担を、あなただけの秘密のものにしないで下さい。どうしても、周囲の方には明かせないという時には

遠慮なく心理カウンセラーなどを訪れ、カウンセリングの力なども借りることです。

一旦PASの方向に傾けば、人生そのものが意図しない方向へ、坂道を転がりはじめる可能性もあるのです。

また、もしも身近な方、ご家族お友達が中絶をしたことを知ったというときには

ぜひ広い、あたたかい心で、その方の心の疲れを見守ってさしあげていただきたいと思います。女性ならばどなたも、したくて中絶をするという方はいません。

そして、もしもパートナーが中絶をするという男性の方がいらっしゃったら、何としても手に手をとって、女性の負担を少しでも理解しようと努めてくださいね。

人工妊娠中絶に伴い、辛い、痛い思いをするのは九分九厘女性だということを、お忘れなくお願いしたいと思います。

中絶手術後の出血

人工妊娠中絶を行うとき、予備知識がなければ、うっかり「手術をしたら、次の日には妊娠前の身体に戻れる」と思ってしまいがちですが、現実はそうではありません。

中絶手術には、必ず出血が伴います。ただ必ず出血が伴うといっても

「あたりまえの、起こるべき出血」と、「中絶後の子宮の状態の危険を知らせる出血」とがありますので、これは区別できるようにしておきたいものです。

そこで、今回は、中絶手術後の出血について、お話させていただきたいと思います。

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中絶手術後には、出血があって当たり前

中絶手術は、子宮内の組織を剥がす行為です。

ある意味では、通常の出産も同じことで、出産の場合には、悪露と呼ばれる子宮内の残留物が出血となって、産後1ヶ月ほど続くことになります。

中絶の場合には、やはり子宮の残留物が必ずあることや、子宮内の細かい傷などから出血するため、10日~2週間の間、出血が起こります。

この期間や出血量、出血のタイミングには個人差があり、一概に、2週間が経てば出血は止まる、とは言えません。

やはり、通常の出産と同じように1ヶ月ほど出血がある人も珍しくはありませんし、手術後3日間は全く出血がなく、4日目から2週間ちょっとの間出血したという人もいます。

出血量も、日によって少ない、ほとんど出血しない日があったかと思えば、昨日の分? と思えるほど出血する日もあったりと、出血量にムラができる人もいます。

この出血に伴って、子宮が収縮し、妊娠前の身体に戻ろうとするために、生理痛に近い痛みが生じますが、疼痛、鈍痛であれば基本的に心配はいりません。

クリニックによっては、術後10日しても出血が止まらなかった場合には、一度受診しましょう……というところもありますので、その場合は医師の指示に従ってください。

なお、中絶手術後には、2週間ほどで月経が再開することも多くあります。

月経の再開までの期間も、個人差のあるものですが、中絶手術後に出血があり、そのまま月経の出血が起こるために

一旦出血量が減ったように見えて、また増えて出血が止まる、というケースもありますので、覚えておきましょう。

中絶手術後、月経がいつ再開するかは誰にもわかりません。

いつの出血が月経の出血かもわからず、ホルモンバランスが崩れた状態が続きますので、基礎体温もまたアテにはなりません。

結果、中絶手術後に出血がしっかり止まらないうちに性交渉を持ち、月経が来ないうちに妊娠してしまうこともあります。

手術後の出血が止まった、月経が来た……としっかりわかるまでは、避妊のない性交渉は避けるのが無難です。

それから、手術後の出血が問題ない場合であっても、「大丈夫だ」と油断をして、アルコールを摂取したり

激しい運動をしたりすることで、出血量が増えることもあります。

念のため、手術後の出血が完全に止まったと確認できるまでは、アルコールや激しい運動は控えたほうが良いでしょう。

このほかにも、人工妊娠中絶の後は、身体的に負担も大きく抵抗力も落ち、また子宮内部に細かい傷もあることから、感染症に罹りやすくなっています。

これを防ぐために、出血のある間は、生理用のナプキンを使い、こまめに取り替えるなど、清潔を保つ工夫をしましょう。

異常出血の場合は痛みも要チェック

さきに述べました、あって当たり前の出血の場合は、だらだらとした出血が続く印象ですが、明らかに出血量が多い

多量の出血が続くというときには、迅速にクリニックを受診しましょう。体内で傷ができたり、何らかの感染症が起こっている可能性が否定できません。

子宮が収縮する際には、疼痛、鈍痛といった、生理痛が強くなったような痛みが腹部を襲いますが

異常出血の場合には、痛みもまた疼痛や鈍痛ではなく、「激痛」と言うべき痛みになります。

慌てる必要はありませんが、軽視せずに迅速に、クリニックを受診してください。

もちろん、痛みの強さや、現れ方にも個人差はあります。普段より多い出血、普段より強い痛み……といったものは要注意のサインです。

中絶を繰り返している人は、場合は注意が必要

もちろん、したくてするのではないのが、中絶です。

個々人に事情はありますが、何らかの理由で中絶を繰り返している人、2度目以降の中絶を行ったという方は、中絶手術後の出血に対して、なお注意が必要と言えます。

その理由のひとつが、傷の治りにくさ。子宮の内部に最初の中絶で傷をつけた部分に、次の中絶手術で傷をつけてしまうと、出血は止まりにくい傾向にあるようです。

これは子宮だけが特殊なのではなく、子宮以外の場所でも同じこと。

一旦傷ついた部分の皮膚は伸びにくく、次に傷がついたときには血が止まりにくくなります。中絶の際にも、二度目以降の傷は出血の原因になることがあるのです。

また、中絶の傷が治りきらないうちに、次の妊娠、中絶を行っているという理由もあります。

一度中絶を行い、子宮の内部が傷つきますが、それが完全に回復しないうちに次の妊娠を迎え、中絶する方もいらっしゃるかと思います。

中絶手術後は、出血が不規則ですし、いつ排卵や、月経が開始になるかもわかりません。

一方で、子宮の内部が中絶によって一旦リセットされ、子宮内部の不要物などが排除されますので、受精卵が着床しやすいのも事実です。

よって、中絶後にきちんと避妊をせずに性交渉を持ちますと、月経が確認できる前に、次の妊娠が発覚し

一度目の中絶から期間を置かず、もう一度中絶手術を受ける人も少なくはありません。

こうしたケースでは、再手術後も、子宮が順調に回復せず、1ヶ月以上、出血が続くことがよく見られるのです。

中絶後の出血については個人差があるものの、出血が長引く原因も一部にはあることがお分かりいただけたかと思います。

中絶は、手術の過程で胎内に細かい傷をもたらす可能性が否定できません。

子宮にきちんと回復できる時間を与えてあげられるよう、女性の身体の安全を考えることも大切なのです。

中絶後の精神的影響

人工妊娠中絶には、それを行う女性にさまざまな影響がありますが、身体的なものだけではなく、精神的な影響も十二分に心配されます。

中絶後の女性の精神的な影響は、パートナー……あるいは、妊娠するに至った相手の男性……

と中絶後にどのような関係を築いているかによって、大いに左右されるといえます。

たとえば、実際に結婚生活を営んでいる相手と、年齢(高齢出産など)や子どもの数、あるいは胎児の障害などを理由にやむを得ず中絶を行った場合には

中絶後もパートナーが精神的な辛さを支えてくれることが多いですので、乗り越えることのできる可能性が高くなります。

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一方、妊娠・中絶を機に、付き合っていた相手と別れることになった場合や、結婚の予定であったのに

妊娠したことによって男性側が、結婚や、中絶をする女性から逃げる姿勢に転じた場合には、女性のショックも大きく、精神的な影響も長引くことが考えられます。

まして、妊娠に至ったけれども、相手が分からない、相手が行方不明……といったような、デリケートな事情がある場合には

中絶をする女性の精神的な辛さもひとしおといえるでしょう。

中絶後の精神的な影響は、実に多岐にわたります。最も心配されるのが、PASと呼ばれる、PTSDの一種で、中絶後遺症候群と呼ばれるものです。

ある研究によれば、中絶手術を上受けた女性のうち、PASに苦しむのはおおよそ20%前後とも言われています。

決して少ない確率ではありません。PASの症状を来すかどうかは、先述のように、中絶後のパートナー(男性)の態度にも大きく関わっていると言えます。

PASにもさまざまな症状があります。無気力という形でその症状があらわれることもあれば、自殺・自傷を考えるなど自暴自棄になることも。

また、中絶の辛さを忘れようと、喜怒哀楽の感情を鈍麻させてしまったり

それまで持っていた人間関係、友人関係を、パートナーや赤ちゃんのことを思い出すからといって断ってしまったり

中絶手術を受けたクリニックの周辺、あるいはパートナーとの思い出の場所に行けなくなることもあります。

いずれの場合もこれはストレス症候群の一種ですので、カウンセリング等の適切な加療が必要です。

PASと診断がつかない場合でも、中絶経験のある女性は、自殺を考えることが非常に多い、ということがわかっています。

ある統計によれば、自殺を考える女性は、中絶を経験した女性のうち6割にものぼります。

それを実行に移すのは3割程度で、特に自殺未遂に至るのは、10代の若い女性であるということも言われています。

これらが、中絶後、女性の生命に関わる最も重大な精神的影響であると言えるでしょう。

このほかにも、例えば、性的な機能が精神的に働かなくなる、という影響もあります。

中絶後、男性との性交渉に喜びを感じられず、嫌悪感を抱く。快楽ではなく痛みをおぼえる。

あるいは、男性そのものに対する嫌悪感が生じることがあります。

この傾向は、短期間で元に戻ることもあれば、数年、十数年……と長引くことも。

また、こうした感情が逆転してしまい、乱れた性生活を送る女性も、中にはいるようです。

また、喫煙や、アルコール・薬物乱用といった問題も浮上しています。

中絶によって得た心の傷を、何かで埋めようとするのですが、喫煙やアルコール、薬物などで消えるものではありませんので

徐々にエスカレートし、乱用状態に陥ります。健康被害の報告も多いのです。

意外に思われるかもしれませんが、女性の中絶経験は、次に生まれた子どもに対する児童虐待の可能性に繋がっていると言われています。

さらには、次に妊娠した胎児を中絶する可能性も大きく、一度中絶をした女性のおよそ45%が、二度目以降の中絶を行い

中絶を繰り返すパターンを持っていると報告されているのです。

何故、児童虐待の確率が増えたり、中絶を繰り返すことになるのか、その具体的な原因は不明ですが、一説によれば、生まれた子どもを虐待したり

あるいは自分にもう一度中絶手術を受けさせることで、自分自身を罰しているのではないか……ということも言われています。

人工妊娠中絶を受けた女性の多くが、自分自身に対し、大きな罪の意識を感じて、多かれ少なかれ、それに苛まれます。

PASであったり、自殺願望なども、原因の最たるものはこの、罪の意識に他なりません。

中絶を行うと、それまでの事情がどんなものであれ、女性には「生きていけるはずの胎児を育ててあげられなかった」という気持ちが生じ

これがさまざまな精神的影響の原因のひとつになっているのです。

パートナーの男性が、女性の思いを理解し、支えようとする姿勢を見せればまだ良いのですが

全くその姿勢がなければ女性は一人でこれを背負うことになり、精神的な影響も大きく、また長引くことになります。

人工妊娠中絶は、マスクをした見知らぬ他人に器具を使って、自分の内部に侵入され、内部を引っかき回されて

痛みを与えられる行為である……という中絶経験者もいます。

とらえ方ひとつではありますが、中絶手術が女性にとって大きなショックであり、心に負担を与える行為であることは間違いありません。

中絶後、精神科などをたずね、精神安定剤を処方してもらう女性は多いものですが

辛いときには是非、そのように処方をお願いするなり、カウンセラーにかかるなりしていただきたいと思います。

あの子に会いたい。中絶手術後後悔が押し寄せる

3日前に中絶しました。20歳大学生です。
彼氏は2つ上で、4月から就職でとても遠距離になってしまうという中、
2月のはじめに、子供が出来たら俺についてきてくれるか?と、二人とも泣きながら、避妊せず行為をしました。

そのとき、初めて、本当にそうなればいいのにと思ったことを強く覚えています。
私は妊娠しづらい体質であり、いままで2年間ゴムをつけずに行為をしていましたが生理が遅れることなど一度もありませんでした。

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その二週間後、遠距離になると寂しい思いをさせるからと、彼から別れを告げられました。
予定では14日に生理がくるはずだったのに、3月に入っても生理がこない。

まさかと思いつつ検査薬を3月3日に買いました。くっきりと陽性反応が出ました。すぐに元彼に電話すると、二人とも嬉しくて泣きました。
ですが、彼は社会人一年目になる前。私も大学生。大学を辞めて結婚するなど考えられず、2人で話し合い中絶することにしました。
そのときはまだ、自分の子供がいる実感がありませんでした。
2人で病院に行き、エコーにうつる赤ちゃんを見て、何時間も泣きました。かわいい。

まだ、豆みたいな形だけど、生きているんだ。私の子供なんだ。苦しかったけど、正しい選択なんだと思って、中絶手術の申し込みをしました。

手術の前日、怖くて、悲しくて、ひとりでずっと泣いていました。彼氏は友達と飲みに行っていました。
当日は、ひどく眠たかった。人生で感じたことのないほどの眠気。

病院について、ラミナリアを入れて、ベッドの上で待機しているとき、怖さも悲しみを忘れて深く眠っていました。

手術室にうつって台に座った瞬間から、麻酔をする前に眠ってしまったと思います。

本当に怖いくらい眠たくて、、、赤ちゃんが私の恐怖心を消すためにしてくれたのかな、なんて都合のいいように考えています。
目がさめるとベッドの上。夢のようでした。どこも痛くもない。本当に手術したの?これから?と思ったけど、お腹にはもう赤ちゃんはいない。

もう会えないんだ。と思うと涙が止まらず、その日は一晩眠れずにエコー写真を抱きしめてずっと泣いていました。

私はこんなに痛みも感じず、目にすることもできず、我が子は違う世界に行ってしまった。寂しい。ごめんね。会いたかった。会いに行きたい。死にたい。

それから、寝るたびに自分が妊娠している夢を見ます。ずるい。起きると、夢の中の自分が憎くて、泣く。ずるい。返して。
お金を払ってまで自分の子供を殺すなんて、なんてことをしてしまったんだろう。
会いたくて仕方がないです。学校なんて辞めて産めばよかった。なんで気づかなかったんだろう。
いまはなにも考えられていません。何もかもがどうでもいい。学校もバイトも。
いますぐに妊娠したい。戻ってきてほしい。それしか考えられなくて、何も手につきません。
一人で部屋にいると、なにもできない。食べることも、考えることも。夜も電気が消せない。
この状態から抜け出せる日が来るのか、わかりません。
費用は8万7000円ほどでした。痛みは最初から最後、いまのいままで何も感じません。それがまた私を苦しめています。

中絶で不妊になる可能性

人工妊娠中絶に関連して、よくささやかれるウワサ。

多くの人が知っているウワサ。でも、何が真実なのかは、実は多くの人が知らないままのウワサ……。

そんなウワサのひとつに、「中絶をすると、不妊になる!」というものがあります。

一度、中絶をすると、次からは二度と妊娠できないのだ、と思うような女性もいますので、これはなかなかに深刻な問題です。

ここでは、人工妊娠中絶と、不妊との関係を、詳細にみていきたいと思います。

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中絶で「不妊になる」の? それとも、「妊娠しやすく」なるの?

中絶をすると不妊になる、ほどではないのかもしれませんが、「中絶をすると、次の妊娠がしやすくなる!」という説もまた

非常にまことしやかにささやかれているウワサのひとつです。

ふたつの説は、「妊娠しなくなる」というものと、「妊娠する」というもの、つまり全くの真逆の意味を示しているだけに

情報が錯綜し、結果として、特に女性たちの間では、なにが真実なのかわかりにくくなってしまっている、というわけなのです。

それでは、真実はどちらなのでしょうか?

答えは。「どちらも本当です」。中絶をした女性の体質が、どちらに近いものとなるかは、誰にもわかりません。

中絶することによって、妊娠しやすくなってしまう方もいれば、逆に、次の赤ちゃんを授かるまで非常な苦労をなさる方もいらっしゃる、ということですね。

中絶することによって妊娠しやすくなる、という説にも一理はあります。

この原因は、出産をすると、次の妊娠をしやすくなる……という人がいることと、共通しています。

つまり、中絶や出産をすることによって、女性の胎内ではそれまで存在していた古い胎盤などが排出されてしまい

子宮の中が一時的にキレイになる、という現象が起こります。すると、受精卵が着床しやすくなります。

妊娠は、いつするか分からないものですが、妊娠するはずの時期に性交渉を行ったからといって、実際に妊娠するとは限りません。

それは、卵が受精していても、着床せずに流れていくことが割合に多いためなのです。

しかし、子宮内がスッキリしていると、そのぶん受精卵にとっても、着床しやすい環境が整えられる……ということがあるようです。

結果として、中絶の後に、不妊どころか、妊娠しやすくなってしまう人もいます。

それで、中絶後の、月経が不安定な時期に、避妊の不完全な性交渉を行い、再び妊娠してしまい再度の中絶……というケースが後を絶たないのです。

しかし、逆に、噂にささやかれる通り、中絶によって不妊の症状を抱える方も、たくさんいらっしゃいます。

中絶をするということは、外部から胎内に器具を挿入し、施術を行うという行為です。

もちろん医師の側でも細心の注意をはらって施術を行うものですが、中絶手術によって子宮内に小さな傷が出来てしまい

この傷跡が、のちの妊娠、受精卵の着床を妨げることで、不妊になるというケースが報告されています。

子宮の内部が癒着してしまった場合、この症状にはアッシャーマン症候群という名前がつけられており

子宮内膜が正常に育成されなくなりますので、やはり受精卵が着床しにくくなってしまうのです。

また、手術の後遺症のひとつとして、卵管が塞がってしまったり、癒着を起こすことによって、正常な排卵ができていないケースも考えられます。

これは、レントゲンの検査をしなくては、癒着しているかどうかはわかりません。

痛みを伴う検査でもありますので、「不妊かも……」という不安だけの段階では、なかなかこの検査は行わないのです。

結婚後に定期的な性交渉があり、それでもずっと妊娠しないというようなときに、はじめて行うことが多いようです。

いずれの場合も、中絶手術を原因のひとつとする、不妊の問題と考えられます。

中絶手術でなくても、そのほかの病気等に起因する子宮内の手術等でも、これらの症状は確認されているのですが

症状の如何によっては治療法もありますので、不妊状態で中絶をした経験があるからとあきらめたり、落ち込むようなことではないと言えるでしょう。

もうひとつ、大切なのは、中絶の経験があると、精神的に不妊状態になることがある、ということです。

子宮内の癒着などは、身体的なことが原因での不妊なのですが、過去の中絶に強い罪悪感を持ったり、性交渉を忌避したり、性交渉は行うことができても

妊娠に対して嫌悪感があったり、それから、不妊であることがわかっても、積極的に不妊治療をすることができない……

などといった、精神的な不妊傾向があることも確認されています。

中には、中絶後、赤ちゃんを授かったとしても、過去の中絶の罰として、せっかく授かった赤ちゃんをまた中絶してしまい

それを繰り返す……という、中絶のスパイラルに陥っている人もいます。

こうしたケースはもちろん、身体的に妊娠できないわけではありません。

ただ、心に重荷を抱えてしまったがために、妊娠を継続することができないのです。

もっとも、一度の中絶で必ずしも不妊になるわけではありませんが、中絶を繰り返すことで、子宮内に小さな傷跡が増えたり

癒着の箇所が増えてしまい、結果として身体的な不妊の確率を高める、といったことは言われています。

中絶後に不妊状態を訴える人の中で、二回以上の中絶手術を行っている人は、確率としては多いと言えるでしょう。

このように、中絶手術によって不妊状態が引き起こされるケースも中にはあります。

しかし、それは「妊娠できなくなる」ということではありません。

前に述べましたとおり、中絶手術で却って妊娠しやすくなる場合があるので、二度目の中絶手術を招かないよう注意することも必要です。

また、一度、二度と中絶を行ったとしても、妊娠できなくなるのではなく、これに対応する不妊治療を行うことで

妊娠の可能性も十分にあるのだということを知っておいていただけたらと思います。

中絶が可能な場合とは

人工妊娠中絶、いわゆる「中絶」を考えるときに、いつ、どのような場合なら可能なのか? 中絶できるのかどうか? ということが気になりますね。

中絶が可能な場合とは、どのような場合でしょうか?

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中絶が可能な時期とは?

中絶が可能な時期は、「妊娠5週目~妊娠21週目」です。
これは、何故かというと、妊娠1~4週目には、まだ妊娠して間もなく、子宮口が開きづらいために手術ができない。

また、胎児が小さくて取り出すことが困難……などの理由から、完全に不可能なわけではありませんが、手術が極力避けられます。
一方、妊娠22週目に入ると、未熟児として出生した場合に、保育技術によって生存できる可能性が出てきます。

「人工妊娠中絶」とは、「子宮外で胎児が生きられない時期に、胎児を子宮の外に出す」こととして定義されていますので、妊娠22週を過ぎてからの中絶手術はできません。

そこで、中絶の可能な時期としては、「母体保護法」という法律によって実際に、5~21週6日目、と定められています。
実際には、妊娠週数が大きくなるほど、母体への負担が増すことなどから、人工妊娠中絶は妊娠12週目までに行われることがほとんどです。
妊娠22週を過ぎますと、中絶手術はできませんので、難しい選択ではありますが早期に結論を出し、手術を行うことが必要になります。

初期中絶と中期中絶

人工妊娠中絶は、妊娠12週目までに行われることがほとんどですが、妊娠12週未満までの中絶を「初期中絶」

それ以降、22週目未満までの中絶を「中期中絶」と呼びます。
初期中絶においては、胎児がまだ小さく、中絶は死産の扱いにはなりません。

一方で、中期中絶になると、「死産に関する届け出」に従い、妊婦は死産届けを提出しなければならないこともあり

人工妊娠中絶は、その95%が、12週未満までに行われています。

初期中絶は、日本では、麻酔をかけて子宮内を広げ、胎児を取り出す形が行われています。

施術自体が5~20分と短時間で、麻酔が覚めれば日帰り手術として、その日のうちに帰宅できることがほとんどです。

費用についても、比較的安価に抑えることができます。
初期中絶では、母体への影響もまだ少ないですが、中期になると胎児もある程度の大きさに成長してきますので、中絶自体も、分娩に近い形でしか行うことができません。

中期中絶では、人工的に陣痛を起こしたり、機材によって子宮を拡張し、吸引する手法がとられますので、母体の負担もそれだけ大きいといえます。

通常は、そのまま2~3日の入院と経過観察が必要になります。それだけではなく、死産届けの提出

胎児の火葬といった手続きもしなくてはならないため、精神的な負担も無視することはできません。

また、大がかりな手術になることや、死産届け、火葬などの手続きができないという理由から、クリニックによっては中期中絶を行っていないところもあります。

その場合は、施術してくれるクリニックを探す必要もありますので、なおさら早い段階での決断が望まれるのです。

後期中絶について

妊娠22週目以降の中絶を示す後期中絶は、現在では、妊婦の申し出による施術は認められていません。

胎児の側に生存できない理由があったり、何らかの理由で母体に危険が及ぶ場合のみの施術となりますが

帝王切開等の方法で胎児を救出できる可能性がある場合には、もちろんその可能性が優先されます。

基本的には、母体保護法により妊娠22週目以降の人工妊娠中絶は違法で、行うことはできません。

中絶の理由について

法律では、中絶の理由についても規定がありますのでチェックしておきましょう。
法的に中絶が可能になる理由は、
1. 妊娠の継続や分娩が、身体的、経済的な理由で母体の健康を損なう恐れがある場合

2. 暴行や脅迫による妊娠の場合

の2点に絞られています。実際には、「経済的な理由で」とありますので、これを広義に解釈し、多くの人工妊娠中絶が行われているのが実情です。

妊娠週数の数え方

ここで問題となるのが、妊娠週数の数え方です。自分の妊娠週数を把握しておかないと

人工妊娠中絶がいつまで可能なのかも、把握することができませんので、よくチェックしてみてください。
ポイントになるのは、妊娠前、最後の月経がはじまった日です。妊娠の場合はこの日を0日目と数え、7日目までが妊娠0週目となります。

8日目~14日目までが、妊娠1週目です。とはいえ、胎児の大きさによっても誤差が出る場合がありますので、正確なところはクリニックでの検診で確認をしてください。

最後の月経の開始日について、あやふやなときも同じです。
人工妊娠中絶は、できる期間に限りがあります。それも、あまり長い期間ではありません。

母体の負担という問題もありますので、特に望まない妊娠をしたような場合には、できるだけ早く施術が受けられるようにすることを、おすすめします。

中絶する理由

人工妊娠中絶は、年々減少しているとはいえ、年間で29万件ほどの中絶が行われているといいます。

それらの中絶は、どういった理由で行われているものなのでしょうか?

人工妊娠中絶というと、イメージとしては、未婚での妊娠、未成年での妊娠など

若いうちに妊娠してしまい中絶……といったイメージが先行していますが、実態は決してそうではありません。

少し古いですが、平成19年のデータを見ますと、20歳未満の中絶は、毎年、10代女性全体の10%前後で推移しています。

一方で、全体の30%以上という数値をたたき出しているのが、20~30代です。30~40歳では、全体の20%ほどの人が中絶を経験しており

さらに、41歳以上であっても、5%弱が中絶を行っているというデータが出ています。

このデータを見ると、必ずしも、「未成年である」ということ自体が人工妊娠中絶の理由であるとは限らないことがわかります。

中絶の総数そのものは、年々減少傾向にはありますが、比較的高い水準で推移しているのが20~29歳です。

30代での中絶も減少しているとはいえ、少なくはないことが、おわかりいただけるかと思います。

女性が、中絶の理由として挙げるものは、主に3種類です。

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1つは、「子どもを育てる余裕がない」というもの。これは大半の女性が中絶理由に挙げるもので、未成年の中絶の理由はほとんどがこれに当たるといってよいでしょう。

2つめは、「仕事や学業など、自分の責任を果たせなくなるから」というもの。

妊娠をした女性自身に、仕事や学業といった専念すべき何らかの事業があり、妊娠を継続することはできない、という理由です。

もちろん、未成年や学生の中絶理由としては、これも大きなものです。

加えて、就職をしてキャリアを積みはじめたばかりの20代女性の場合は、仕事のために中絶を選択することは決して珍しくはないのです。

中絶の理由として多いものの3つめは、「片親になりたくない、夫・パートナーとの間で問題となるので……」というものです。

非常に残念なことですが、妊娠・出産することによって、それが夫或いはパートナーとの間での障害となってしまうことがあります。

これを妊娠を継続できない理由に挙げる女性は、少なくありません。
こうした場合の多くで、留意すべきは、「家族にも相談できないまま、中絶を選択する女性がいる」ということです。

残念ながら、夫やパートナー、両親にさえも、相談することができずにクリニックを訪れる女性は、決して少なくはありません。

妊娠したという事実をたった一人で抱え込み、重いモノを背負ってクリニックの戸を叩きますが

夫やパートナーには冷たく切り捨てられ、両親や、親しい友人に話せばきっと軽蔑される

これまでのように接してはもらえないのではないか……という不安から、憔悴しきっていることも多いものです。

人工妊娠中絶は、もちろん施術のそのときも辛いものですが、後あとにまで気持ちの整理がつかない、後悔をひきずるといった心理的な影響も無視できません。

本当に相談できる人がいないのか? クリニックに訪れる前に、よく考えてみる必要はあります。

上に挙げた3つ以外の理由としては、胎児の障害の可能性、というものが挙げられます。

胎児に障害があるという可能性をもとに、人工妊娠中絶を決意する妊婦は、中絶する妊婦全体のおおよそ13%と言われています。

近年では羊水検査などを基として、胎児の障害が比較的事前にわかるようになってきていますが、これについても問題がないわけではありません。

費用が5,000円~15,000円ほど、かかるということ。

羊水検査を行っても、すべての障害がわかるわけではなく、羊水検査で異常なしと出ても、障害のある子どもが生まれる可能性は否定できないということ。

また、羊水検査は完全に安全なものではなく、副作用についても指摘されています。そうした理由から

詳しい検査を受ける前に、「胎児に障害があるに違いない」と思い込み、或いは恐怖によって、中絶を選択する妊婦も多くいるのです。

中絶全体のおよそ13%が、胎児の障害を理由としていますが、何らかの検査によって胎児の障害が明らか

確実になっているものは、そのうちの1%に過ぎないとする説もあります。

これらの理由に加えて、人工妊娠中絶を促進しているのは、「法律的な保証」であるとする意見もあります。

日本では、母体保護法によって、「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」について

人工妊娠中絶をすることができる……と定められています。この、「身体的または経済的理由により」という条項をもとに、多くの人工妊娠中絶が行われます。

法律で、理由があれば中絶してもよい、と定められていることが、日本での中絶をより気軽に行えるものとしている、とする意見もあるのです。

経済的な理由にしても、パートナーとの間の問題にしても、胎児の障害の可能性にしても

「理由があれば、中絶はしても良いものだ」という法的な考え方が、中絶の選択を安易なものにしている……その可能性も、もちろんあります。

中絶を検討してクリニックを訪れれば、にべもなく施術を拒絶されることはまず、ありません。

女性の側にもさまざまな理由がありますし、クリニックにとっては、それは営業内容のひとつでもありますから

優しく「できますよ」と言うことがクリニック側の唯一の選択肢でもあります。

いずれの場合も、中絶をするか否かの選択は、命のやりとりです。妊婦さん自身にとって

人生を左右するともいえる大きな選択であって、「中絶してよかったと思えたのは、中絶した後3日だけだった。

その後は後悔の念に毎日苛まれている……」という意見を仰る方も少なくありません。

中絶の決定には、時間的な余裕はありませんが、それでも、法的に保証されていることで、安易な選択をしようとしていないか?

クリニックからのすすめに左右されていないか? もっと他に相談できる人がいるのではないか? など、よく考えたうえでの意志決定が求められるのです。

中絶と法律

人工妊娠中絶は、主に「母体保護法」という法律によって、その概要が定められています。

母体保護法は、最終改正が平成25年12月に行われている法律です。このことからも、内容は時代に即して見直されていることがわかります。

それでは、その内容について見てみましょう。

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母体保護法は、「母体の生命健康を保護すること」を目的に、人工妊娠中絶と不妊手術について定めている法律です。

人工妊娠中絶の定義については、第二条に定められており

「人工妊娠中絶とは、胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期に、人工的に、胎児及びその附属物を母体外に排出することをいう。」

となっています。

この条項は、人工妊娠中絶を行う時期に深く影響を与えています。

つまり、人工妊娠中絶は「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」に行われる必要があり

これに値しない人工妊娠中絶は違法となりますので、どこのクリニックをあたっても、実施することはできません。

では、「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」とは、いつ頃のことを言うのでしょうか。

現在の保育技術においては、妊娠22週を過ぎた胎児は、母体の外に出されたとしても何らかの方法で保育することができる、とされています。

妊娠22週では極度の早産の扱いにはなりますが、「生命を保続すること」はできるとみなされるのです。

したがって、人工妊娠中絶を行う場合には、施術が妊娠21週7日目までである必要があります。これ以上の先延ばしはいかなる理由があってもできません。

ここで、問題となるのは妊娠週数の数え方ですが、妊娠週数は、妊娠前に最後の月経がはじまった日を、0日目として数え始めます。

この日から、7日目までが第1週です。8日目~14日目までが、第2週となります。

中絶を検討している場合には、正確な週数をクリニックで必ず確認しましょう。

人工妊娠中絶は、早ければ妊娠5週目頃から、行うことができます。

ただ、妊娠に気付く時期ということを考えた場合に、日常的に基礎体温をつけていれば妊娠に気付くのが早いですが

そうでなければ、月経が来なかったので妊娠に気付く……ということがほとんどです。

すると、その時点で、既に大体4週が経過しています。

月経の遅れは、女性としては珍しいことでもありませんので、遅れているのかな? と思っている間に、1~2週間はあっという間に経過します。

ようやく、妊娠を確認した頃には、既に妊娠7週目、8週目であることも珍しくはありません。

もうひとつ、中絶と法律ということについては、中絶の理由について、この母体保護法で定められていることがあります。

それは、中絶理由は以下の2点に絞られるということです。

1つは、「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」

もう1つは、「暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」

多くの中絶は、1つめに挙げた、身体的又は経済的なことを理由として行われています。

学業、あるいは仕事を理由にして中絶をする場合も、これを広義に解釈して認められているといえるでしょう。

もちろん、後者、2つめの理由が、やむを得ない中絶の理由となることも少なくはありません。

さきほど述べましたとおり、人工妊娠中絶については母体保護法でその時期が定められており、妊娠22週まで、というタイムリミットが必ずついて回ります。

また、人工妊娠中絶をするにあたって、母体の安全や、負担の大きさ、かかる費用の大小ということを考えると、中絶の理想的な時期は、妊娠12週未満です。

妊娠12週を過ぎると胎児が大きくなってきますので、中絶手術をするときにも、母体の負担が増大します。

またそのほかにも、胎児の火葬や、死亡届の提出といった手続きが必要になり、肉体面、精神面の双方において、負担は倍増するといえます。

手続き上の理由、また手術の規模という面から、妊娠12週を過ぎてからの中絶手術は行っていないというクリニックもあります。

こうした諸事情からわかるのは、人工妊娠中絶をするかしないか……その決断のために妊婦に与えられる時間は、決して多くはないということです。

早くて妊娠5週目に、妊娠に気付いたとしても、12週を迎えるまでにたったの7週間。

法律的には、22週目を迎えるまでに手術を終える必要があり、長く迷う時間は与えられていないのです。

人工妊娠中絶を決めるにあたって、「法律的にも、妊娠22週未満なら中絶してもいいと認められているんだ」とする考え方があるのも事実です。

それが、やむを得ないと思われる事情を抱えた女性たちの、心のよりどころになっている面も確かにあります。

ただ、人工妊娠中絶は、あまり時間のない中で決断しなくてはならず、正解というものが無いのも事実です。

そのために、人工妊娠中絶をした女性は、後になって消えない悩みを抱えたり、後悔に苛まれたり……ということも少なくはありません。

一人で悩んで決断するよりも、できるだけ周囲の人に相談することが大切です。

その中から、見えてくるものがあったり、開ける道があったり、よしんば、同じ「中絶をする」という結論に達したとしても

心の持ちようや、その後の生き方が変わってくることも。

クリニックによっては、専門のカウンセラーを置いている場合もありますので、どうしても周囲に話すことができないというときには頼ってみるのも良いでしょう。

大切なのは、一人きりで悩まず、できるだけ早いときに、誰かに相談するということです。